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audition主人公を含めたキャストオーディションを開催

2022年公開予定、映画『 i ai (アイアイ) 』の主人公を含めたキャストオーディションを東京・兵庫の二会場で行います。年齢は15歳から70歳超。国籍、性別は不問です。事務所所属は問いません。ミュージシャン、スケーター、学生、フリーター、会社員など、未経験者の方も応募可能です。ぜひご応募ください。

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statementマヒトゥ・ザ・ピーポーから、みなさんへのお願い。

「わたしを映画監督にしてください」 一人の部屋、少しあいたカーテンの隙間から飛行機が飛んでいくのが見える。わたしはベッドに横になった体勢のまま、iPhoneでなんとなくムービーをまわしていた。よくも悪くもない10秒ほどの時間が、動画フォルダに追加される。
人はなぜ記録するのだろう?きっとその飛行機のムービーを見返すこともないだろう。

時間が残ってしまうことが時折、酷に思えることがある。あらかじめ約束されたいつか思い出に変わる美しい時がそこに居座り続けることは、いずれわたしを追い詰めるかもしれない。そのことを想像する時、頭の空洞を駆け巡るさまざまな時間や人の顔がある。
金木犀の香りがする通学路、雨降りの朝にベランダの手すりにいたカタツムリの親子と雨上がりにかかった虹のこと、噛んだ跡のあるビートバン、ハウリングの中で演奏した夏の日の午後と焦燥。ありがとう。ごめんなさい。この頃の黒く焼け焦げた気持ちのことも忘れてしまうんだろうか?
できるだけ覚えておきたいが、わたしの記憶には限りがあることも、31年間この身体と付き合ってきたからわかる。
photo by Shiori Ikeno
わたしたちは悲しい時代の渦に揉まれて、必要以上に学習しすぎてしまった。記憶のパケットに容量があること、肉体は老い、いずれは思い出もろとも消えること。だから時間に怯え、そしてできるだけ記憶を残そうと人はiPhoneを握りしめて眠る。今日の自分や景色を何かにつなぎとめておきたいのだ。インスタグラムは新しい教会になり、もはや今日において記録はアーティストの仕事でもない。荒廃し散らかった現実がその役割をあらゆる人に要求したのだ。
無理もないよなー。あまりにも唐突に多くのさよならが目の前を走り抜けていく。わたし自身、コロナ禍と呼ばれる近い時間の中でも友人がこの世を去り、そして唯一の故郷だったバンドGEZANのメンバーも東京を去っていった。その喪失に慣れることはない。神様が定めたのだとしたら、どうしてそのように学習することのできない設定にしたのか直接問うてみたいものだ。サヨナラへの抗体が体内にできるのはいつの日か?
森山未來演じるヒー兄は、わたしたちのバンドにとって最初のサヨナラだった。メンバーが生まれ育った明石で、色んな音楽を聴かせてくれて、バンドの道にひきずり込んだ人だった。そのモチーフになった男はこの世にはいない。戸籍上はいないことになっている。永眠。眠ってる?まさかね?だって、実際わたしに映画を撮らせ、今あなたの時間と目を実際に奪っている。それは存在していることと何が違うのだろうか?わたしは失われた幻たちとの記憶と共にサヨナラを再定義したい。

ふと部屋の中で思っていた。ライブハウスや映画館に居るゴーストたちのこと。彼ら彼女たちはライトのついていない無人のフロアで、今、何と彷徨っているのだろう。未来で歌われるはずだった歌が部屋の隅でうずくまっている。それらの再生され損ねた記憶はどこへ向かえばいいのだろう?

ふつふつと映画を撮ることへの必然がわたしの中で育っていく。誰に頼まれたわけでもない。ただ無骨でわがままなわたしの自我がむくむくと成長していく。
「撮りたい」
そう、この感じ。紛れもなく生きてる。生きてる時間の中で死を生かし続ける。

あらためて記録することについて考えた。ここでいう記録は記号を残すことではない。気配、匂い、重さ、そういった画像からこぼれ落ちる存在の影にこそ、人の呼吸がある。わたしはその時間を撃ちたいのだ。
カメラのシャッターを切ることをSHOOT(撃つ)というが、今、この世界に出回っている絵のどれだけが撃ち抜かれた瞬間なのだろうか?写真や映像は加工され、目元の皺はPhotoshopで修正されて画像へと変換されていく。これはピッチの修正と共に声や音の尊厳を奪っている音楽も同じだ。表現メディアのほとんどが、生き物の持つ曖昧な揺れや混乱を許さず、暗黙のうちに共犯者となり美を冒涜している。今日も広告として作り上げられた画像が世界を飛び回り、視力を悪くした人がいいねを押している。
正直うんざりだ。
わたしの記録したい記憶はそこにはない。
いいことも悪いこともあったが、懸命に生きたその光もろとも焼き付けたい。皺が増えていくことだってキレイと呼びたいし、永遠と現実の境界線に張られたガラスの板、そこにつけた爪跡、それだってレタッチで消さずに残したい。
photo by Shiori Ikeno
i aiは相逢、もう一度逢うという意味です。
同じ時代の雨に打たれているあいあい傘の下で、人と人が会って、別れて、また出会う青春映画です。

演じるのは森山未來。その立ち姿から、存在することについての思考の跡跡が無数に見える。生傷を絶やさない人間は匂いがちがう。
ムービーのカメラは佐内正史。佐内さんが長編のムービーとして入るのはキャリアとしても初めてで、このビジュアルの写真撮影をした翌日に「マヒト君の映画は僕が撮らなくちゃいけないかな〜と思って〜。」と自ら名乗りを上げてくれた。嬉しかったな。どちらも瞬間に対しての切実さ、そして効率の悪い生き方は信頼できる。この二人の共犯者と共に時代の腹に日本刀を入れる。痺れるね。
そして、右も左もわからない中でやる!と挙手をした映画のプロジェクトは、スタジオブルーの平体さんという映画プロデューサーと出会うことで一気に具体性に向けて輪郭を得始めた。この出会いはかつてのメンバー、カルロスが同じいきつけのカレー屋だったことからのひょんな出会いで、スパイス香る店内でそのビジョンをぶつけ、今では同じ崖の先端に立ち、そして心中を約束した頭のおかしい人たちです。
人生って不思議だ。もうここにはいないかつての仲間が残した縁が未来に残り、形を成す。しかもカルロスが帰っていった地元でカメラを回すのだから。その終わりなき因果の渦たるや、まさにi aiの中で描く世界だ。
とはいえ、描きたいわたしのビジョンには到底及ばない。そのためのクラウドファンディングです。

わたしは会えなくなったゴーストたちの記憶と共に、この映画を作りたい。あなたにもいるはずだよ。そんな忘れることなどしたくない美しき敗北者が。わたしはそもそも彼ら彼女らを敗者と呼ぶことに全身で抗いたい。そしてこの映画が、これからの何度も経験するであろうあなたのサヨナラを、灯台のように照らすことをイメージしている。

上に名を連ねた何の前例もないわたしの想像力に賭けてくれる心ある人たち。あなたもその中の一人になってほしい。それはもう才能を残さず使い切り、この2時間を永遠に昇華することをもって返したい。想像力だけあればどこまでもいける。この閉塞した時代でそう言い切れるわたしやあなたでいよう。
この後フルキャストのオーディションをはじめる。撮影は九月。何かが起こるなら夏しかない。混乱の時代を生傷を絶やさず、走る。

わたしを映画監督にしてください。よろしくお願いします。 マヒトゥ・ザ・ピーポー
photo by 佐内正史
 

映画製作のためのクラウドファンディングに挑戦中です。
ぜひみなさんのお力をお貸しください。

storyあらすじ

ヒー兄が教えてくれたこと。
ギターのEコード。夜の泳ぎ方。仲間とすごす海の時間。タバコの味。

明石の街の底を彷徨う冴えない日々に焦燥していたボクに、ヒー兄はライターで火をつけた。
あの夏、蝉が咽び泣く中を爆音で駆け抜けた。ギターをかき鳴らし確かにそこにいたのだ。

さよならは言わない。これは永遠とどう付き合っていくのかの今日の物語。

「エンドロールが終わっても共に生きていく。」

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